雨上がりの庭、背をのばした庭の木々は青々と美しく、今を盛りとセミたちが鳴き声を響かせる。でも、家の中はまるで春のように快適で、セミたちが奏でる喧騒も届いてこない。この建物は、住宅先進国・ドイツで実用化されている高性能な省エネ住宅「パッシプハウス」。太陽光や熱、吹き抜ける風などの自然エネル ーを活用し、そこから生まれた心地よさを「断熱性能・気密性能・計画換気」によりキ ー プしており、広い邸内も最低限の冷房のみで快適に過ごせる。四季のあるこの国で、誰もが愛する春の心地よさを一年中、味わうことができるのだ。
気持ち良さの理由はそれだけじゃない。手に触れるもの、目に入るもの、すべてを無垢材や漆喰壁など自然由来のものでコ ーディネー トしている。外壁の杉板は歳月を経るごとに落ち溢いた色へと変化し、その移ろいも住み手の満足へとつながっていく。
右手がモデルハウス棟、左手がオフィス棟。無塗装の杉板が経年とともに銀色に変化