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アンティーク
ミックスハウス

株式会社アマミホーム
上田英和

アンティークインテリアが好きで、「自分たちの好む世界観を受け止め、アップデートにしなやかに対応するベーシックな建物」を希望されたHご夫妻。その想いを受け止めた上田さんは、周辺ののどかな田園風景に映える白い箱のようなシンプルで大らかな建物を計画。邸内もベーシックな美しさを追求し、アンティークのドアや家具を引き立てる邸内デザインを行いました。

  • 南に向けて横長にレイアウトされた建物。大窓の外部にはウッドデッキをつくり、田園を吹き抜ける風や光を受け止める空間としました。伸びやかな水平ラインがきいた建物は、大らかなライフスタイルを体現しています。

    H夫妻が探して買い求めたアンティークのドア。届いたときにはボロボロの状態でしたが、上田さんの感性と彼が信頼する職人の手で、味わいのある逸品に生まれ変わりました。

    オークの床材、白く塗装した壁に、上部のRの意匠が特徴的なアンティークの開き戸、その向こうにほのかに見えるリビングが物語を感じさせる玄関ホール。

    アンティークの建具は施主さまが探し、購入したもの。一見すると「使えないのでは」と思わせる古びたものを調整し、リメイク。「ものづくりが好き」という上田さんは、これらの作業も楽しんだそう。

  • 愛すべきものたちに囲まれて
    豊かに、満たされる日々を

    大窓からの開放感を日々満喫することができるLDK。これまでHご夫妻がコレクションしてきた家具のシャビーな風合いを活かすべく、空間そのものはオーク材と白の塗り壁でシンプルにコーディネートしました。上田さんは空間に合わせた造作家具の提案も得意としていますが、Hさま邸にはそれがほとんどありません。「例えば新たな家具を購入しても、それが馴染むように。住み手のその時々の暮らし方が主役になるように、抑えたデザインを心がけました」と上田さん。

    ラスティックなテイストのオークの床材。上田さんとH夫妻が「シンプルでマットなデザインコンセプトにしっくりと馴染む素材を」とセレクト。

    レトロタイルで囲まれたキッチンで調理をしているときも、古びたダイニングテーブルで食事をするときも、リビングでくつろぐひとときも、いつも大窓の向こうの四季景色が、心を和ませてくれます。

    ヨーロッパの古いホテルのダイニングルームのように、Hご夫妻の愛用の家具たちが空間に映え、日常と非日常が融合した時間が流れています。

  • 生かすことと生み出すこと
    その両方のバランスを絶妙に

    新築にあたり、Hご夫妻がこれまで愛用してきた品々をどう活かすかは、上田さんの空間デザインのポイントの一つとなりました。またマイホームに想いを馳せながら、新たに購入したアンティークの部材。「ゼロからものを生み出すより、自ずと制約は大きくなります。でも、どうやって活かそうか、その価値をもっと高めようかと僕はそのプロセスが楽しくて」と上田さん。Hご夫妻との打ち合わせを重ねる度に、新たな扉を開いていくようなワクワク感が増していきました。

    キッチンの背面収納は、Hご夫妻がもともと使っていたものを持ち込みました。この空間のために用意したかのように馴染んでいます。

    シンプルな空間には、家具だけではなく、花やグリーンも美しく映えます。Hさま邸では、これらも暮らしのアクセントに。

    雰囲気のある照明器具。こうしたインテリア雑貨をスパイスとして上手く取り込んでいます。

  • ロケーションに大らかに
    景観とともに暮らすスタイル

    平屋で、かつ南側の景観に対して大らかに開いたHさま邸。窓の外に広がる田園は、建物の設計にも大きな影響を与えました。「敷地それぞれの特徴を把握し、それを最大限に活かすこと」を大切にしている上田さんは、このロケーションとともに大らかに暮らすことを意識。古き良きものに囲まれた邸内と、窓の外に広がる自然の営み。そのバランスが唯一無二の住み心地となっているのです。

    カーテンを開けて景色を楽しみ、窓を開いて風を取り込む。そんな日常のさりげないシーンが絵になります。

    セランガンバツ材のウッドデッキは、経年とともに味わいを増していく素材。テラスカフェのような過ごし方も素敵。

  • 見せる空間と穏やかな空間
    それを叶えるのは生活への心遣い

    ファッションにもこだわりのあるHご夫妻にとって、絶対に必要だったのがたくさんの洋服を収めるワードローブ。衣類のための収納空間をたっぷりと取ったことにより、寝室はすっきりと穏やかな空気感に満たされています。邸内に見せる空間と穏やかな空間を棲み分けさせ、ライフスタイルに合わせた動線を描くことにも配慮がなされています。

    ホテルライクでシンプルな主寝室。ここにはあえてものを置かず、穏やかな居心地を生み出しています。

    住み手の嗜好や敷地の特性、そしてものづくりを楽しむ設計者の感性。これらのすべてを高いレベルで響き合わせることにより、住むほどに愛着の湧く住まいとなっています。

Designer

株式会社アマミホーム
上田英和Hidekazu Ueda
1979年愛媛県生まれ。近畿大学工学部建築学科卒業、同大大学院修了後、建築会社勤務を経て、(株)アマミホームに入社。アップサイクル愛媛のクリエイティブディレクターとしても活動。新ブランド「Archi est」の建築家。一級建築士。
■ 好きな音楽/ジャズ、ハウスミュージック ■ 好きな建築家/ビジョイ・ジェイン ■ 好きな本/鳥図鑑 ■ 特技/スケッチ ■ 趣味/SUP、キャンプ

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