照明の光があまり好きではなく、自然光で生活したいと考えていた施主夫妻。朝日に包まれた明るいキッチンで食事を支度し、豊かな光が降り注ぐダイニングで食卓を囲み、夜は落ち着いた灯りのリビングでまったりくつろぐ。そんな暮らしのイメージを現実のものにするアイデアとして、建築家の河本さんは邸内に吹き抜けと複数の中庭、坪庭をとり、邸内に豊かな光を採り込みました。
中庭を囲うように配置したLDKは、ダイニングに吹き抜けを、一方リビングは床を一段下げるという高低差で、空間をゆるやかに仕切りました。キッチンのそばに階段の吹き抜けをとることで、朝の光を享受。ダイニングには中庭に面して大きな開口をとり、照明は天井から吊るしたペンダントライトと間接照明のみにとどめて。大壁に映る光のラインは季節によりフォルムを変え、暮らしを豊かに演出します。
生活機能を集約した東棟は、洗面室の上部にトップライトにより自然光で過ごしたいという要望を満たしています。