明治・大正・昭和、めぐる時代によりそうように、そこに在り続けた三津浜の古民家・旧鈴木邸。築110年、港町のたたずまいを現代に伝えてきた。そんな名建築は2021年3月、国登録有形文化財に指定されました。
旧鈴木邸にて古民家暮らしを営むオーナーは、昔から着物や古道具、古本などを好み、古い港町の風情が残る三津浜にも、足繁く通っていたといいます。
「壊されるかもしれないと聞いたので、購入できるならと決心しました。住めるようになるまでに、本当にたくさんの人に助けていただいて今があります」。
明治・大正・昭和、めぐる時代によりそうように、そこに在り続けた三津浜の古民家・旧鈴木邸。築110年、港町のたたずまいを現代に伝えてきた。そんな名建築は2021年3月、国登録有形文化財に指定されました。
旧鈴木邸にて古民家暮らしを営むオーナーは、昔から着物や古道具、古本などを好み、古い港町の風情が残る三津浜にも、足繁く通っていたといいます。
「壊されるかもしれないと聞いたので、購入できるならと決心しました。住めるようになるまでに、本当にたくさんの人に助けていただいて今があります」。
築100年を超える建物ですから、暮らしの場所として機能させるための改修を計画。建具や外壁など傷みのあったところを全般的に修繕しつつ、古建築のたたずまいはそのままに。
道路の正面には、かつて米穀問屋だった名残を感じる空間があり、続いて茶の間、中庭を挟んでお茶室といった具合に、奥行きのあるレイアウトが豊かな時代を感じさせます。
特に、障子や欄間の美しさは、日本の伝統建築ならでは。障子越しに透ける月明かり、朝の光が柔らかく溢れる障子や欄間の影…。古民家暮らしの醍醐味です。
日本の伝統文化と三津の歴史がぎゅっと詰まった、旧鈴木邸。
「この場所で、三津浜の古民家の魅力を伝えたい」と思い立ったオーナーは、建物をゲストハウス、レンタルスペースとして活用。趣味の教室やワークショップ、お茶会、テレワークまで、思い思いの時間を過ごせる、三津浜の憩いの場所に成長しています。
町の記憶を受け継ぎ、歴史ある建物に誠実に向き合う、オーナーは、そんな暮らしを軽やかに実践されています。
次回は「築20年のモダン建築 職と住、理想の暮らし。」を掲載致します。